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自然

創造の主はポーランドに多大なる恩恵を授けてくれました。豊かな自然をこの国に惜しみなく与えただけでなく、それらが壊されたり失われたりすることを許さなかったのです。その結果、私たちは今日でも本当に素晴らしい自然――湿地、森林、自然のままの河川、クリスタルのように美しい湖など――に恵まれているのです。

ヨーロッパの自然の中でも傑出した存在となっているのはビャウォヴィエジャ原生林(Puszcza Białowieska)です。旧大陸の平野部に広がる自然林としては最後のものであり、更にはユネスコの定める2つのリスト、「世界遺産」と「生物圏保護区」にも登録されています。

ポーランド国内には素晴らしい森林が他にも数多くあり、昔のままの姿を残しています。広葉樹林のカンピノスの森 (Puszcza Kampinoska) 、モミやブナの生い茂るシフェンティ・クシシュ山脈(Góry Świętokrzyskie)、あるいはマズールィ地方にある、タイガを彷彿とさせるロミンツカ原生林(Puszcza Romincka)、トゥホラの森(Bory Tucholskie) にはヨーロッパでも最大級の、4千本のヨーロッパイチイが生い茂る珍しい常緑樹林があり、最も古いものでは樹齢600年にもなります。また、シュチェチン近郊にはこの世のものと思えないほど美しく光り輝くブナの森(Puszcza Bukowa)があります。

ポーランドは湿地帯でも有名です。ビェブジャ湿地帯(Doliny Biebrzańskiej)には、大規模な泥炭層が低地一帯に広がっており、またナレフ湿地帯(Doliny Narwi)にはヨーロッパで唯一の網目状に広がる川が流れ、その様はあたかもゆるやかに編まれた三つ編みのようです。世界的にもこのような河川は他にアフリカのオカヴァンゴ川しかありません。

水はポーランドにとって最も豊かな自然資源の一つです。その女王的存在といえるのがヴィスワ(Wisła) で、全流域にわたり、全く人の手で地形を変えられていない大規模河川としてはヨーロッパで唯一のものです。

マズールィ地方(Mazury)、スヴァルシュチズナ地方(Suwalszczyzna)、カシューブィ地方(Kaszuby)、そしてドラフスコ (Pojezierze Drawskie)、ヴウォダヴァ(Włodawskie)、ルブシュ(Lubuskie)の各湖水地方は、大変水の豊かな地方でありまるで宝石のような湖の数々に彩られています。一例を挙げると、サファイア色のロベリアの湖 (トゥホラの森)、オレンジ色のルブィゴシチ湖Lubygość (カシューブィ)、孔雀石色の ヤチュノJaczno (スヴァウキ地方)などがあり、また十個の湖がネックレス状に繋がって一つの輪のようになっているラドゥンスコの輪 (Kółko Raduńsko) はカヤック愛好家に大変人気の湖です。

豊かな自然環境 思わず目を疑うような巨石、希少な動植物、移動する砂丘、広大な湿地・・・。ポーランドはおよそこの地球上にありうる全ての自然環境を備えているといっても過言ではありません。自然とふれ合って過ごすにはまさしく理想的な土地なのです。 ダイビングがお好きなら・・・ ハンチャ(Hańcza:ポーランドの最も深い湖)を訪れてみてはいかがでしょう。この湖は湖底が非常に急な傾斜を持っており、いくつもの小さな洞穴が開いています。およそ110メートルの水深がありますが、水は極めて透明度が高く、酸素量も豊富なことから、希少種の魚も多く棲息しています。水中探検には理想的な場所です。 登山家のあなたは・・・ ストウォヴェ山地(Góry Stołowe)の見事な地形にきっと驚かれるに違いありません。ここはポーランドで唯一の、テーブルマウンテンで構成されている山地で、それが風や水によって侵食されることで独特の地形が作られました。特徴的な地形には、とんがり耳(Ucho Igielne)、馬の頭(Koński Łeb)、マンモス(Mamut)などといった名前が付けられています。 珍しいものをお探しなら・・・ それはポーランドで最も乾燥した地域にあります。ブウェンドフスカ砂丘(Pustynia Błędowska)―国内唯一の砂漠地帯で、10kmもの長さにわたっています。カヴァレロヴィチ監督の映画「太陽の王子ファラオ」でもここが撮影に使われました。最近まで、蜃気楼も見られることがありました。けれどもそれよりも珍しいのはスウォヴィンスキ国立公園(Słowiński Park Narodowy)内の砂丘でしょう。まるで巨大な亡霊のように、年間10mという驚くべきスピードで移動するこの砂丘は、これまでに既にいくつもの村を飲み込んでしまいました。 ありのままの自然を体感したいなら・・・ 中央ヨーロッパ最大の湿地帯ビェブジャ(Bagna Biebrzańskie)に是非足を運んでください。運がよければコミミズク、シギ、シャクシギ、ツル、クロライチョウ、アジサシをはじめとする無数の野鳥たちと出会えます。ここには湿地帯を棲みかとする野鳥たちが希少種も含めて実に300種近く生息しているのです。彼らの繁殖地であるこの湿原はポーランド最大の国立公園ともなっています。 もう一ヶ所忘れてならないのはビャウォヴィエジャ原生林(Puszcza Białowieska)です。ヨーロッパ平原に残された最後の原始林地帯で、ポーランドとベラルーシ国境にまたがっています。ポーランド側の森林地帯には400頭ものヨーロッパ・バイソン(ポーランド語でジュブルżubr)が棲息している他、「オークの道」(dębowy szlak)と呼ばれる観光ルートが整備されており、樹齢何百年ものカシが生茂る中を散策することができます。これらの木々にはかつてこの森で狩を楽しんだリトアニアの王や王子の名前が付けられています。
ポーランドの国立公園は、国土の1%を占めています。たった1%だなんて少ないですって? いいえ、そんなことはありません。山に海に湖に、そこには地理上のありとあらゆる場所が含まれていますし、ヨーロッパ・バイソンや広大な砂丘、昔ヤギェウォ王が木陰で休んだと伝えられる大木すらも目の当たりにできるのです。
野生動物・野鳥観察 雄叫びをあげるライチョウ、地表を掘り返すイノシシ、沼地でダンスを披露するツルなどが見られるポーランドはまさに野生動物の宝庫です。草原や湖、森を歩けば、目の前に彼らの存在があることに容易にお気付きになることでしょう。 ポーランドで自然と親しもうとするのは難しいことではありません。ふさわしい服装と靴(ゴム長靴が一番!)と双眼鏡があれば十分です。国立公園の中にはガイドが必要なところもあります。 野生動物の探察に最適な季節は冬と秋です。アカシカやヘラジカがつがいとなって美しい儀式を繰り広げる様を見ることができます。観察が最も困難な時期は夏ですが、7月や8月ならビェブジャ(Biebrza)の草原地帯やハイヌフカ(Hajnowka)近くの森の中の草地で、ヘラジカにこっそりと近寄ることができるかもしれません。ポーランド最大の哺乳類であるヨーロッパ・バイソンはビャウォヴィエジャ原生林(Puszcza Bialowieska)やヴォリン島(Wolin)の特別保護区で自由に生活しています。 ポーランドは絶滅危惧種の再導入事業を成功させている国としても知られています。ヨーロッパ・バイソン以外にもポーランド野生馬(konik polski)、ビーバー、オオヤマネコなどが本来の生息地に戻されました。カンピノス原生林(Puszcza Kampinoska)では現在、ポズナンの動物園にいたアヤクスの子孫にあたるヤマネコが10匹ほど棲んでいます。 ポーランドは多くの渡り鳥たちのルートが交わりあう地点でもあります。休耕地ではニシブッポウソウ、刈入れ後の畑ではエリマキシギ、また湿原にできる池塘と呼ばれる泥炭層の浮島状の場所ではツル、森林の中の草地ではワシの仲間を観察することができます。バードウォッチャーにとってパラダイスともいえるのはヴァルタ川河口国立公園(Park Narodowy Ujście Warty)、ビェブジャ湿地帯、マズールィ地方の湖オシフィン(Oświn)、バルィチュ渓谷(Dolina Baryczy)のミリツキェ池(Stawy Milickie)などです。 もっと小型の生物たちとの出会いも忘れてはなりません。ピェニヌィ山地はポーランドで最も美しい蝶、アポロウスバシロチョウの生息地です。ビェシュチャディ山地のサン渓谷では濃いオリーブ色をした蛇、エスキュラピスヘビに出くわすかもしれませんし、カンピノス原生林では体の色が変るヌマアカガエルが生息しています。オスは瑠璃色でメスがオレンジ色をしているのです。 ポーランドには民家の窓ごしに野生動物立ちを見ることのできる場所もあります。グダンスク周辺の牧草地ではしばしばイノシシが地面を掘り返している様子が目にされますし、ワルシャワの文化科学宮殿からはタカが巣を作ったこともあるのです。
ベスト・ランキング 世界ランキングのコレクターは「ポーランド山地の王冠」(Korona Gór Polskich)獲得を目指してみましょう。ポーランドを代表する28の山の中には、タトラ山地のルィスィ(Rysy)、カルコノシェのシニェシュカ(Śnieżka)、ベスキディのビャウァ・グーラ(Babia Góra)、ビェシュチャディのタルニツァ(Tarnica)、スデティのシュチェリニェツ・ヴィエルキ(Szczeliniec Wielki)、最も険しいシフェントクシスキェ山地の頂上ウィシツァ(Łysica)などが含まれています。 現存するポーランド最古の山岳地帯はサンドミェシュ近くのピェプショーヴェ山地(Góry Pieprzowe)で、その生成は5億年前にさかのぼるとされています。ソヴィエ山地(Góry Sowie)は地球上の最も古い岩石である片麻岩から成っています。この片麻岩は溶岩が冷え固まり近くを形成し始めた頃、即ち45億年前にできたものと考えられています。 最も若い山地はタトラ山地ですが、様々な点でポーランドNo.1を認定されています。ポーランドの最高峰ルィスィ(Rysy)、最大規模の滝ヴィエルカ・シクラヴァ(Wielka Siklawa)、最長の洞窟ヴィエルカ・シニェジュナ(Wielka Śnieżna)、最難関の登山ルートであるオルラ・ペルチ(Orla Perć)などが全てタトラ山地に含まれているのです。 低地だって負けていません。ポーランドで最大の一枚岩はティホヴォ(Tychowo)にあるトルィグワフ(Trygław)です。ヴィエジツァ(Wieżyca)はカシューブ地方だけに限らず、中央ヨーロッパ平原全体の最高海抜地点となっているのです。その麓にある製材所では世界で最も長い厚板が切り出されました。記録的な高さをほこったマツ科の木から切り出されたもので、その長さは36m以上にも達しました。 ポーランド最古の木はロガリン(Rogalin)のヨーロッパ最大の樫群生地にある木のどれでもなく、ヘンリクフ・ルバンスキ(Henryków Lubański)にあるイチイの木です。樹木学者の調査によって、樹齢は何と1250年と見積もられました。他にもピョートロヴィツェ(Piotrowice)にあるホロブルィの樫(樹齢720年)、コモルフ(Komorów)のニレ(樹齢440年)、ミンスク・マゾヴィエツキ郊外の松(樹齢380年)などがありますが、このイチイと比べてしまうと若い木というほかなくなってしまいますね。 記録というのはえてして一ヶ所に集まるものです。シフィノウイシチェ(Świnoujście)にはポーランド最大の砂浜が広がるだけでなく、ポーランドで最も高い灯台があり、さらにはヨーロッパ最長の桟橋もあります。その近くにはポーランド最大の島ヴォリン(Wolin)があり、最も高く切り立った断崖と最も深い青緑色の湖があります。 世界規模の記録にも事欠きません。ウク・ムジャコヴァ(Łuk Mużakowa))には世界最大規模の馬蹄形ターミナルモレーン(端堆石)があり、ストウォヴェ山地(Góry Stołowe)はヨーロッパで唯一のテーブルマウンテンです。またヴィスワ川(Wisła)は自然なままの河川としてはヨーロッパ最大であり、世界でコウノトリに最も好かれている村はジフコヴォ・ボチャニャ村(Żywkowo Bociania Wieś)で、200羽以上ものコウノトリが棲んでいます。
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