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近代産業の遺産

近代産業の置き土産

つい最近まで、工場などの近代工業の痕跡は景観を損なうものと扱われてきました。けれども今日では、これら工場跡に沢山の観光客が押し寄せるようになっています。古くから残るビール醸造所や鉱山、工場などが観光名所として大人気になっています。このような施設は国内で既に2千ヶ所を数えているのです。

ポーランドには世界規模の近代工業遺産があるということを知っている人はそう多くはないでしょう。ボブルカは石油の生産が始められた土地ですし、グロヴォ・イワヴェツキェには歴史的ガス製造工場が奇跡的に現役時代の姿をとどめています。ワルシャワの浄水場などは、現在世界遺産への登録を待っているところです。またヴロツワフの給水塔ナ・グロブリ(Na Grobli)にはかのタイタニック号に搭載されていたのと同じメカニズムが現存しています。

チェホチネクの伝統的温泉療養施設群は今も多くの湯治客の心と体を癒し続けています。グダンスク・オリヴァやスタラ・クジニァでは水力によって250kgものハンマーを動かし製鉄などの金属製造を行っていました。シレパ・ヴィエルカには半径が8mもあるポーランドで最大の水車が保存されています。

過去の栄光を眺めるだけでなく、観光客が実際に製造工程を体験できる施設もあります。ヴィエルコポルスカ地方のビール醸造所ではビールの加熱処理や瓶詰めラインの操作を見学者が実際に自分の手で行うことができます。またドゥシュニキ・ズドルイの製紙工場では紙の手すき体験ができます。

現在は稼動していない鉱山もまた魅力にあふれています。金鉱で知られるズウォティ・ストクではポーランドで最も落差の大きい8mの地下滝があり、またザブジェの炭坑博物館や野外博物館では地下鉄道が運行しています。ヴィエリチカについては言うまでもなくもっと多くのアトラクションが観光客を待ちわびています。

工場跡は博物館となっているだけではありません。ウッチのマヌファクトゥーラ(Manufaktura)やポズナンのスタルィ・ブロヴァル(Stary Browar)、コンスタンティンのスタラ・パピエルニァ(Stara Papiernia)など総合商業施設へ姿を変えたものもあれば、グダンスクのアーティスト・コロニー(Kolonia Artystów)、ワルシャワのファブリカ・チュシュチヌィ(Fabryka Trzciny)、カトヴィツェのシプ・ヴィルソン(Szyb Wilson)など独創性豊かなカルチャー施設となったものもあります。是非一度訪れてみてはいかがでしょうか?

ポーランド版赤レンガ倉庫「マヌファクトゥーラ」
Łódź(ウッチ)はアンジェイ・ワイダの映画「約束の土地」(1974)で知られるようなユダヤ系資本でポーランドの産業革命期に大発展した繊維工業都市として知られていました。豊かな資本家が所有していた美しいアール・ヌーヴォー様式の建物が並ぶピォトルコフスカ通り、そして赤レンガ倉庫を利用したショッピールマヌファクトゥーラは特に人気の観光スポットになっています。
ヤヴォジナ・シロンスカ 工業・鉄道博物館
鉄道博物館としてはポーランドでも有数の規模を誇るヤヴォジナ・シロンスカの工業・鉄道博物館には機関車トーマスの世界のような操車場や20世紀の産業の発展を支えてきた蒸気機関車が並びます。
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