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ザモシチ旧市街

ザモシチ旧市街
Stare Miasto w Zamościu

  • 世界遺産登録: 1992年、文化遺産
  • 所在地: ザモシチ市(ルブリン市より南方向に車で約2時間)
  • 見どころ:

ルネサンスの理想都市

イタリア・ルネサンスの香りが漂う都市ザモシチ(Zamość)は、イタリアに留学した若き貴族ヤン・ザモイスキ公の「祖国ポーランドに、王都クラクフをも圧倒するような、イ タリアのパドヴァの街を模した都市を造ろう」という構想により誕生した町です。設計はイタリア人建築家ベルナルド・モランド(Bernardo Morando)に依頼、宮殿・武器庫・聖堂参事会教会・市庁舎から広場に建ち並ぶ石造の集合住宅に至るまで、主要な建物のすべてを任せました。1580 年に何も無いところから始まったザモシチ市の建設は1600年には完成、ザモイスキの夢の実現まで、わずか20年しかかかりませんでした。

ザモシチが「ルネサンスの真珠」、「北のパドヴァ」、「アーケードの街」という異名を取るのは、この都市が後期ルネサンスの理想都市の考え方を体現したものであるからです。ルネサンス人にとっての理想都市とは、都市の機能を人体のそれに対応させ、理想的な美とされる比に基づいて創られた都市のことをいいます。モランドはまさにザモシチ建設にあたって都市を人体にあてはめて考えました。例えば旧市街西側のザモイスキ広場は頭、グロツカ通りが背骨、そこから南北方向に伸びる通り(ソルナ通りやモランド通り)が肩、都市機能を果たす内臓としてはソルヌィ広場やヴォドヌィ広場、町を護る手足の役割としてバスティオンを置く、といった具合です。この主な構造は、今日に至るまで変わることなく見ることができます。

この町には、世界的にも類を見ない都市計画と、高い歴史的価値を持つ美しい建築作品群があります。こうした史跡の多くは今もそのままに残されています。すらりと塔がそびえる美しい旧市庁舎、1階の軒先がアーケードになった石造りの建物にぐるりと囲まれた大広場、そしてひときわ鮮やかな彩色と装飾が施されたアルメニア商人の邸宅が目を引きます。広場に面した建物は全て同じ高さに建てられ、互いに調和の取れたデザインが施されています。司教座大聖堂に収蔵されている貴重な芸術品の数々も見逃すことができません。ザモイスキ宮殿(Pałac Zamoyskich)やザモシチ・アカデミー(Akademia Zamojska)も、建設当時いかに素晴らしい建物であったか、想像に固くはないでしょう。そして世界遺産に登録されている旧市街全体を守るように防壁が外周を取り囲んでおり、所によっては7メートルもの厚さがあります。防壁の要所に設けられた巨大な星型堡塁もまた見る者を圧倒します。

旧市街はその機能に応じて二つの地区に分けられました。東側の商業エリア、西側の文教エリアです。商業地区には外国の商人なども住み、エキゾチックな雰囲気をかもし出していました。文教地区には高等教育機関が築かれ、文化の香りが漂う街づくりが行われたのです。

落ち着いたたたずまいを見せるザモシチ。瀟洒なホテルに滞在しながら、美しい史跡やアートギャラリーを巡ったり、年間を通して様々に行われるイベントに参加したり、十人十色の楽しみ方のできる都市です。ポーランド東部に位置し、主要なルートからは少しそれていますが、だからこそ本当のヴァカンスが楽しめる町、とも言えるでしょう。ザモシチの隣には「自然の真珠」とも呼ばれるロストチェ(Roztocze)の景勝地帯があり、貴重な史跡群で知られるルブリン市(Lublin)も遠くありません。


データ

アクセス:
ワルシャワから:バス・・・4.5~5.5時間(1日4~5便)、電車・・・5h15m(1日直通2便)

クラクフから:バス・・・6~7時間(1日4~5便)、電車・・・7.5時間(1日直通2便)

  ルブリンから:バス・・・2時間(1、2時間おき)、電車・・・2h20m(1日2便)

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