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景観
美しい海岸線や氷河時代に削り出された湖水地帯、地平線まで広がる大平原、深い緑に包まれた森、まるで砂漠のような大砂丘と豊かな自然に恵まれた国ポーランド。 砂岩の侵食によって創り上げられたヨーロッパで唯一の景観を誇るのはストウォヴェ山地国立公園など国立公園の数も多く、都市部の観光地と自然を組み合わせれば、バラエティーに富んだオリジナルの旅を計画することができます。

ポーランドは平坦な国と一般によくいわれています。平原と森が続くマゾフシェ平野のあたりはそのイメージによく合う景観が広がっています。無数の川が原生林や林の間を糸のように流 れ、手つかずの大自然があなたを待っています。ヴィスワ川流域のチェルヴィンスコ周辺のように、無数の島や三日月湖の見られる場所、あるいはブク河畔にあ るドロヒチンのように両岸を断崖絶壁に取り囲まれた場所など、魅力的な観光スポットが数多くあります。

東部の有名な河川はナレフ川です。ヨーロッ パで唯一、網目状に広がる河川です。ビャウィストクの辺りでその幅を拡げると、いくつもの支流へと分かれてゆき、まるでアマゾン川のような景観を呈しま す。ビェブジャ地方のゴニョンツ周辺に至ると、川は何キロメートルにもわたって広がる湿原へとその姿を変えてゆくのです。

北部ポーランドには、粒子の細かいきれいな砂に恵まれており、地中海沿岸に勝るとも劣らぬ美しさです。バルト海に面して広がる海岸は、やがて断崖や砂州へ と続き、砂丘へと徐々に姿を変えていきます。ウェバ周辺では、まるで本物の砂漠ではないかという錯覚さえ起きるほどです。

バルト海は、国土を横切って帯状に広がる湖沼地帯によって独立した地形を形作っています。ドラフスコ、カシューブ、ポーランド最大の湖であるシニァルドヴィとマムルィを擁するマズールィ、そしてスヴァウキの各湖沼地帯は、氷河期の置き土産です。

最後の氷河期が地球を覆っていたのは、わずか1万年~1万2千年前のことです。そのため、氷河に刻まれた痕跡は陸地にはっきりと残っているのです。氷河の 恐るべき力を体感するには、知るにはスヴァウキ景観公園を訪れると良いでしょう。ピラミッド状の丘やモレーン、ケイム、ドラムリンといった氷堆石からなる 地形、丘陵地 、カール、侵食谷などが見られます。

ポーランド 南部の国境地帯は山地となっています。大雑把に分けると、ポーランドとスロヴァキアを隔てる東側にはカルパティ山脈、そしてチェコとの国境をなす東側にはスデーティ山地が連なっています。比較的新しい山地としてはカルパティ山脈の一部をなすタトラ山地が ありますが、スデーティ山地になるとその歴史は地球誕生の頃にまでさかのぼり、およそ4億5千万年前に活動を始めたとされています。スデーティは侵食と堆 積を繰り返し、また火山活動の影響を受けて出来上がったものです。そこにはストウォヴェ山地国立公園があり、ヨーロッパでは他に類を見ない地形を呈してい ます。というのも、ひだ状の地形ではなく、砂岩の層が浸食されることによって板状の層を成す地形ができているのです。

世界有数の湿地帯の宝庫

ビェブジャ湿地帯

ビェブジャの一帯は世界的にも稀に見る野鳥の宝庫です。271種におよぶ野鳥たちの棲家となっており、とりわけ絶滅危惧種に指定されているハシボソヨシキリやエリマキシギの存在は大変貴重で、ビェブジャ国立公園のシンボル的な鳥となっています。

ラムサール条約登録の湿地帯
ビェブジャは、水鳥にとって貴重な生息地である湿地における生態系を守るために定められたラム サール条約の指定するリストに登録されています。この他、ウクナイノ湖(Łuknajno)、オシフィン湖(Oświn)、シフィドヴィエ自然保護区 (Świdwie)、カラシ湖(Karaś)、独特の景観をもつミリチュ湿地帯(Stawy Milickie)、スウォヴィンスキ国立公園(Słowiński Park Narodowy)などがラムサール条約の指定を受けています。

自然

創造の主はポーランドに多大なる恩恵を授けてくれました。豊かな自然をこの国に惜しみなく与えただけでなく、それらが壊されたり失われたりすること を許さなかったのです。その結果、私たちは今日でも本当に素晴らしい自然――湿地、森林、自然のままの河川、クリスタルのように美しい湖など――に恵まれ ているのです。

ヨーロッパの自然の中でも傑出した存在となっているのはビャウォヴィエジャ原生林(Puszcza Białowieska)です。旧大陸の平野部に広がる自然林としては最後のものであり、更にはユネスコの定める2つのリスト、「世界遺産」と「生物圏保護区」にも登録されています。

ポーランド国内には素晴らしい森林が他にも数多くあり、昔のままの姿を残しています。広葉樹林のカンピノスの森 (Puszcza Kampinoska) 、モミやブナの生い茂るシフェンティ・クシシュ山脈(Góry Świętokrzyskie)、あるいはマズールィ地方にある、タイガを彷彿とさせるロミンツカ原生林(Puszcza Romincka)、トゥホラの森(Bory Tucholskie) にはヨーロッパでも最大級の、4千本のヨーロッパイチイが生い茂る珍しい常緑樹林があり、最も古いものでは樹齢600年にもなります。また、シュチェチン 近郊にはこの世のものと思えないほど美しく光り輝くブナの森(Puszcza Bukowa)があります。

ポーランドは湿地帯でも有名です。ビェブジャ湿地帯(Doliny Biebrzańskiej)には、大規模な泥炭層が低地一帯に広がっており、またナレフ湿地帯(Doliny Narwi)にはヨーロッパで唯一の網目状に広がる川が流れ、その様はあたかもゆるやかに編まれた三つ編みのようです。世界的にもこのような河川は他にア フリカのオカヴァンゴ川しかありません。

水はポーランドにとって最も豊かな自然資源の一つです。その女王的存在といえるのがヴィスワ(Wisła) で、全流域にわたり、全く人の手で地形を変えられていない大規模河川としてはヨーロッパで唯一のものです。

マズーリ地方(Mazury)、スバウキ地方(Suwalszczyzna)、カシューブ地方(Kaszuby)、そしてドラフスコ (Pojezierze Drawskie)、ヴウォダヴァ(Włodawskie)、ルブシュ(Lubuskie)の各湖水地方は水の豊かな地方であり、まるで宝石のような 湖の数々に彩られています。一例を挙げると、サファイア色のロベリアの湖 (トゥホラの森)、オレンジ色のルブィゴシチ湖Lubygość (カシューブ)、孔雀石色の ヤチュノJaczno (スヴァウキ地方)などがあり、また十個の湖がネックレス状に繋がって一つの輪のようになっているラドゥンスコの輪 (Kółko Raduńsko) はカヤック愛好家に大変人気の湖です。

 

地図

ポーランドは平野の国? 一度、インターネットのマップを利用してご覧いただければわかりやすいでしょう。国の中央部(マゾフシェ地方)の平らな地域が一番目に留まりやすいですが、南へ下って行くと2000メートル級の山岳地帯があることも確認できます。
よく利用されているインターネット上のデジタルマップをご紹介します。旅行のルート計画に是非ご利用ください! 
• www.mapa.szukacz.pl – デジタルマップ。ポーランド国内のみ。
• www.map24.pl - デジタルマップのほか衛星写真画像も見られる。ポーランド国内のみ。
• www.maps.google.com - 全世界展開のネットサービス。ポーランドを含む世界中の衛星写真を見ることができる。英語のみ。

 

気候・気温
天気は変わりやすく、予想もつかないことだらけ。例えば 一日の内に28度も気温が下がることがあったり、1月に気温17℃を記録してみたり…。それもこれも全てポーランド特有の気候のせいなのです。ポーランド の北部や西部は海洋性の穏やかな気候のため、冬は比較的温暖で夏は湿度が高くなります。一方、ポーランドの東部は大陸性の気候で、冬は大変厳しく夏は暑く 乾燥した毎日が続きます。まずはワルシャワの平均気温・降水量のデータを見てみましょう。

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
最高気温(℃)0261319222424181251
最低気温(℃)-4-4-138121313951-3
降水量(mm)16.620.22229.234.348.757.638.335.225.12823.9
<ワルシャワの月間平均気温・平均降水量>


ポーランドの天気は気まぐれですが、穏やかな気候だけでなく、その変わりやすい特性も含めて、ポーランドらしい、と言うほかありません。その原因は、ポー ランド上空では、大西洋上からの湿った空気と大陸奥地から吹き込む乾燥した空気とが激しくぶつかりあっているということがあります。その結果、 ポーランドの空は一年のうち実に60~70%も雲に覆われているのです(最も雲に覆われやすいのは11月、最も少ないのは9月です)。 雨が降るのは主に夏です。最も多いのは6月、最も少ないのは2月です。一番乾燥している地域はクヤヴィ地方、雨量が多いのはタトラ山脈です。タトラでは 1973年6月に記録的豪雨があり、ゴンシェニツォーヴァ高原では300ミリを観測しました。

シロンスク平原はポーランド領の中で最も温暖な地域です。ここの冬は大変穏やかで、わずか2ヶ月しか続きません。そのかわり夏は100日間に及びます。 ポーランドの最寒冷地はスヴァウキ地方のヴィジャイヌィ(Wiżajny)です。この地域の1月の平均気温は氷点下4.5度であり、容赦のない冬が4ヶ月 間も続くのです。1928年には何と6月まで雪が残っていたのです!

ポーランドの四季はなかなかカレンダーどおりには進みません。早春が始まるのは西方では2月末から、スヴァウキ地方ではようやく3月末からです。ポー ランドの春は西の方からやってきます。気温が上昇し、動植物の生命が輝き始める季節の到来です。5月にはもう暑い夏がやってきます。4ヶ月も経つとその勢 いは衰え、秋の訪れとなります。9月の半ば頃は「おばあちゃんの夏」と呼ばれ、太陽は照り暑さは残りつつも木々からは葉が落ち始めるのです。
短く灰色の日々が晩秋を告げます。6週間も経つと、北東方向から冬が忍び寄ってくるのです。マゾフシェ地方に雪が降るのはおよそ30~40日間ですが、タ トラ山脈では145日にものぼります。東から吹き付けていた風が西よりに方向を変えると、それは再び春が近づいているという知らせなのです。

タイムゾーン

ポーランドはヨーロッパの中央に位置しています。それはポーランドのポドラシェ地方にあるスホヴォラ村がヨーロッパの丁度中心になっているためで、タイムゾーンは中央ヨーロッパゾーンに入っています。

同じ経線の上に位置する場所では、ローカルタイムも同じになっていますが、地理的な位置が変わると当然時差ができます。人々の生活が時間に追われ る時代になり、時差の問題が大きくなってきたときに、カナダ人のサンドフォル・フレミングが1日を24の時間帯に分ける方法を考案しました。

ポーランドで採用されている基本的な標準時は中央ヨーロッパ・タイムゾーンです。それは、シチェチンからは東方向に、ジェロナ・グラ、イェレニャ・ グラからは西方向にある東経15度の基準となる太陽時を標準時とする地域です。10月の最終日曜日から3月の最終日曜日まで続く冬時間帯はこれが標準時 間となります。

しかしサマータイム制度を導入しているポーランドでは、夏は東ヨーロッパ・タイムゾーンを採用します。それは、3月の最終日曜日のグリニッジ標準時午前1 時(ポーランドでは午前2時)に、時間を1時間進めて夏時間になり、10月の最終日曜日には1時間遅らせて冬時間になるということなのです。

サマータイムの導入を最初に考えたのはベンジャミン・フランクリンでした。フランクリンは、人々が早寝早起きできるようにと夏時間の採用を考案したのです が、だれもまじめに取り扱ってはくれなかったそうです。そして、サマータイムが初めて採用されたのは、第一次世界大戦下のドイツでのことでした。1916 年4月30日に時計を1時間進め、10月1日に1時間遅らせたのがその始まりです。その後、イギリス、アメリカがサマータイムを導入し、ポーランドにおい ては両大戦間期にはじめてこの制度が取り入れられました。

夏時間と冬時間に1時間の時差を作る最大のメリットは、照明に利用される電力の省エネルギーです。しかし、このメリットも一日の日照時間が少なくなる冬場 の4ヶ月(11月から2月)には残念ながらあまり効果がみられなくなります。そこで、冬にはヨーロッパのほとんどをカバーする中欧ヨーロッパ・タイムゾー ンに戻すというわけです。

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