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昔から、ヴィスワ川は塩や石炭などの運搬に大きな役割を果たしてきました。
川をくだって途中でクラクフ、ワルシャワ、トルンといった世界遺産を通り、グダンスクまで来ればそこはもうバルト海。白砂の砂浜が延々数百キロも続く北の海が広がっています。
これからぶらり歩きを楽しむグダンスクはヴィスワ川が海に注ぎ込むデルタ地帯にある歴史と文化の街。かつてのハンザ同盟都市としての風格が今も残るこの街は、戦前には自由都市グダンスク(ダンツィヒ)のステイタスを持ち、ドイツ人とポーランド人、そして少数民族のカシューブ人などが共生していた歴史もあります。その名残か、グダンスクではポーランドのほかの都市とは一味違ったコスモポリタンな空気が感じられます。

グダンスクのもうひとつの顔 ― それは自由の気風に育てられた反骨精神かもしれません。ヨーロッパにおける社会主義時代の終焉に布石を敷いたポーランドの民主化運動は、このグダンスクから始まりました。最初は、グダンスクの造船所に起きた火花にすぎなかった労働組合が民主化運動のさきがけとなったのです。議長は一労働者であったレフ・ワレサ(ポーランド語ではレフ・ヴァウェンサ)。自主管理労組「連帯」の名を掲げたその活動は、あっという間にポーランド全土へ広がり、後にはほかの国々へと拡大してゆきました。 1000年の時の流れのなかでどの時代も劇的でヴィヴィッドに彩られてきたグダンスク。ショパンも訪れたという歴史の街にあなたの足あとを残してみませんか。

【アクセス】
グダンスクへは、空路・鉄道の利用が便利です。国際空港が市の南西にあり、市内からはタクシーで約30分。ヨーロッパ各都市と結ばれています。日本から一番早いアクセス方法はフランクフルト、ミュンヘン、コペンハーゲン経由の空路です。鉄道は、ワルシャワから約4時間弱。電車の本数も比較的多いので便利です。またワルシャワ、クラクフ、ヴロツワフへは飛行機も便利。

【ツーリストインフォメーション】
グダンスク国際空港デスク GTO Tourist Information
営業時間: 月-金 8:00-16:00、土曜日9:00-17:00、日曜日9:00-14:00

市内デスクGdańsk Tourist Information Centre
所在地: ul. Długi Targ 28/29
ホームページ: http://www.gdansk4u.pl
営業時間: 6月から8月: 毎日8:30-18:30
9月から5月: 毎日9:00-17:00

「王の道」ロイヤルロード

グダンスク中央駅から、歩けば10分ほどで中世貴族の富を象徴する館が軒を連ねる旧市街に着きます。ここは、かつては国王の凱旋パレ行われたメインストリート「ドゥーガ通り」。長さが500mもあるめずらしい街路型の広場なのです。
ドゥーガ通りの西端に見えるのがブラマ・ヴィジンナ(高い門)Brama Wyżynnaです。ここからグダンスクのロイヤルロードが始まります。この門には、ポーランド王国、王国に服したプロイセン公国そしてグダンスクの紋章と「あらゆる王国の柱となるのは正義と敬神」という言葉が刻まれています。
ドゥーガ通りの門前で、まるで中世の城壁のように見えるのは、かつて刑罰が執行された「拷問の家」と17世紀から19世紀にかけては刑務所になっていた「牢獄のやぐら」からなる囚人塔(1539)です。現在、この塔の上の部分には世界最大の琥珀塊でできた像などいろいろな琥珀を見学できる琥珀博物館があります。

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琥珀博物館(Muzeum Bursztynu)
【住所】
Targ Węglowy 26
【開館時間】
月-土 10:00-16:00  日11:00-16:00
この通りに沿って歩いてゆくととすぐ見えてくるのが黄金の門とウプハーゲンの家です。

黄金の門(Złota Brama)
17世紀はじめにできた凱旋門。これをくぐって王の一行が市中に入って来たといわれています。門の上の彫刻は、平和・自由、裕福、名声、調和、正義・敬神と賢明をあらわしています。

ウプハーゲン邸(Dom Uphagena)
ロココ様式のこの民家は、かつてはグダンスクの評議会議員ウプハーゲンの邸宅でした。現在は、当時の富裕層が住んだ邸宅の内部を見学できる博物館となっています。見事に復元された玄関、ダイニングルーム、音楽用のサロンなどが18世紀を彷彿させてくれます。
黄金の門を過ぎ、左に曲がると大兵器庫が見えます。

大兵器庫(Wielka Zbrojownia)
表の装飾と堂々とした建築は、オランダ・ルネサンス建築の秀作といっても過言ではないでしょう。かつては、内部には大砲や弾丸などが保管されていました。この大兵器庫の前にある取り出し口は、地下から大砲の弾を出すためのもの。古代の神殿の形をまねて、ドーム型の屋根がついています。
ドゥーガ通りの半ばにある、高い塔は旧市庁舎。高さは82mあります。

旧市庁舎(Ratusz Głównego Miasta)
1379年着工の旧市庁舎は、グダンスクの富とこの町のヨーロッパにおける地位というものを顕示するものでした。現在はグダンスク歴史博物館となっており、赤の広間(Sala Czerwona)という評議会の間は必見です。市庁舎の上の展望台からは、グダンスクの美しいパノラマを楽しむことができます。

グダンスク歴史博物館(Muzeum Historyczne Miasta Gdańska)
【所在地】ul.Długa 47
【開館時間】 火10:00-15:00、水~土10:00-16:00、日11:00-16:00 月曜日休館
http://www.mhmg.gda.pl

ネプチューンの噴水(Fontanna Neptuna)
海の守護神であるネプチューンのブロンズ像は17世紀からこの町を見守っています。旧市庁舎のすぐそばにあり、いつも観光客がいっぱいの人気のスポットになっています。グダンスクの伝説では、このネプチューンは噴水に人々が金貨を投げ入れるのを嫌がって、手にした三叉の矛(トリアイナ)で水を突き、金貨を金箔に変えてしまったといわれています。その金箔の輝きがグダンスク名産のハーブ・リキュール「黄金の水」の味をいっそう熟したものにしたということです。

アルトゥール館(Dwór Artusa)
白亜の美しさに目を奪われるこの建物には、昔、同業者組合(ギルド)の本部がありました。インテリアとして飾られている絵画や模型、甲冑、そしてタイルには当時の権力者や家紋が描かれています。中でも惑星と功徳を擬人化した絵が表面に描かれている、高さが10m以上もあるルネサンス時代のペチカは圧巻です。

黄金の家(Złota kamieniczka)
17世紀に建設された黄金の家は、建物の正面の飾りに特徴があります。飾りはイタリアに発注してあったのですが、運搬船が沈没してしまったことから、裏面に取り付けるはずであった飾りが転用されたという経緯があります。施主はグダンスクの市長でもあった商人ヤン・シュペイマンで、妻ユディタのために建てた住宅でした。この建物はユディタの幽霊がでるともいわれるミステリースポットでもあります。「正義を持って行動すれば、恐れるものはなにもない・・・」とつぶやいているとか。

緑の門(Zielona Brama) 
1568年から71年にかけて造られたこの門は、ドゥーギ広場の最後、モトワヴァ運河に一番近い場所に建っています。オランダ・ルネサンス様式が美しいこの建物は、グダンスクを訪れる各国の国王のための宿泊所となるはずでした。実際には、たった1回しか利用されませんでしたが、現在では国立博物館の別館としてさまざまな展示会が開催されています。また、かつて自主管理労組「連帯」の指導者であり、大統領でもあったワレサ氏の事務所があることでも知られています。

聖マリア教会(Kościół Najświętszej Marii Panny)
150年という長い年月かけて造り上げられたこの教会は、レンガ造りの教会としてはヨーロッパ最大のもの。見学の際には、ゴシック様式の内装と美しい天井に注目したいところです。アウグスブルク出身のミハウ・シュヴァルツ作の祭壇、石造りのピエタ(嘆きの聖母像)、荘厳な音色が心を洗うバロック様式のパイプオルガンなどすばらしい芸術品の数々が保管されています。 また、塔の400段の階段を上ればグダンスクの眺望を楽しむことができます。
【住所】
ul. Podkramarska 5
URL: http://www.bazylikamariacka.pl

マリア通りからモトワヴァ運河に向かってのびるマリア通りには、琥珀のアクセサリーを売る店が並んでいます。
琥珀はポーランドの特産品のひとつで、グダンスクは琥珀の取扱店が全国一多いことで知られています。濃いあめ色やクリーム色、淡い茶色などさまざまな色がありますが、どれも天然の琥珀です。女性用だけではなく紳士物のアクセサリーもお手ごろ価格で手に入るので、グダンスクに来たらぜひのぞいてみたいスポットのひとつです。
マリア通りからモトワヴァ運河に出て左を見ると、ちょっとふしぎな形をした木造の建物が見えます。これは、ポーランド語で鶴を意味する「ジュラフ」と呼ばれる木造クレーンです。中世に作られたこのクレーンは、貿易船への荷物の積み下ろし、またマストを立てるために使用されていました。内部には、かつて使用されていた歯車が再現されており、今でも動かすことができます。現在は、本館がモトワヴァ運河の対岸にある海洋中央博物館の大物コレクションを展示する場所にもなっています。「ジュラフ」から海洋中央博物館と船内博物館(Sołdek)には船が出ています。

郊外に足をのばせば・・・

ヴェルテルプラッテ(Westerplatte)
ヴェステルプラッテ(Westerplatte) グダンスクの北東にあるヴェステルプラッテは、第二次世界大戦が勃発した地として歴史に名を残しています。1939年9月1日、ドイツの戦艦シュレスヴィヒ・ホルシュタインが突然砲撃をしかけ2600名の戦力を投入したドイツ軍の激しい攻撃に少人数の守備隊は1週間持ちこたえました。ここには、その勇敢な将兵たちをたたえた記念碑があり、グダンスクの観光名所のひとつとなっています 。

【アクセス】
グダンスクの中心部からバス106番で直接行けますが、土日祝のみ1時間に1便運行です。それ以外の日は、グダンスク中央駅Dworzec Głównyからトラム8番か13番に乗り、5つ目のAkademia Muzycznaで下車。そこで106番に乗り換えます。夏季は市中心部から遊覧船も出ています。

オリーヴァ(Oliwa)
グダンスク中央駅からソポトの方面に向かう近郊線で約10分のオリーヴァは、かつてアレクサンダー・フンボルトをして「世界で3番目に美しい場所」と言わしめたオリーヴァ景観公園と「世界でもっとも美しい音色のオルガン」といわれたパイプオルガンがある大聖堂で有名です。景観公園は、18世紀フランスの造園家アンドレ・ラ・ノトレによって設計され、フランス庭園と英国庭園の美を融合させた美しい公園です。オリーヴァ大聖堂は十字型のゴシック建築で、聖堂の美しさを最高に引立たせているパイプオルガンは華麗なロココ様式。音響の良さに耳を傾けるだけでなく、天使のベルや星、ラッパなどの装飾が演奏中に動く仕掛もぜひごらんください。6月から9月にかけてのシーズン中は毎日オルガンコンサートが開催されています。

ソポト(Sopot)
1798年以降、ポーランド人伯爵の投資によって興った都市ソポトは、マリンリゾートのメッカとして知られています。グダンスクに隣接しているため、その気になればロマンチックな砂浜の広がる海岸線を自転車や徒歩でも訪ねることができます。ソポトの一番の見どころは、なんと458mにも及ぶ木造桟橋です。桟橋を歩けば、まるで海の上を散歩しているような気分になってしまいます。ほど近くには見事な灯台、そして保養施設が立ち並んでいます。

グディニア都市の中で最も若いのがグディニアです。1920~30年代にかけて驚くべき速さで人工的に建造されたこの大都市は、グダンスク港と並ぶ一大港湾都市を目指して造られました。果たしてその計画は大成功に終わり、ポーランドで最も機能的な都市となり、またポーランドにとって最も重要な海上貿易ルートの玄関口となりました。

グディニアとソポトからは10~20kmにおよぶ長さをほこるヘル半島を見渡すことができます。グダンスク湾に突き出るようにしてのびるこの細長い半島はロマンチックな雰囲気やマリンスポーツが盛んなことで知られ、「三つ子の都市」いずれからも大変アクセスがよく、列車や車だけでなく、自転車やボートを使って遊びに出かけることもできます。また、グダンスクからのエクスカーションとしておすすめなのは、ポーランド最北の世界遺産、マルボルク城です。グダンスクから列車や車で日帰りが可能です。

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