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中世都市トルン

コペルニクスの町

トルンは偉大な天文学者であるコペルニクスの生まれ故郷として知られ、また秘伝のレシピによって作り続けられている銘菓ピェルニクや、中世以来変わらぬ旧市街のヨーロッパ一美しいとさえ言われる魅力に、多くの人々が関心を寄せてきた都市です。そして1997年、その都市計画と建築美が評価され、ユネスコの世界遺産のリストに登録されました。

中世都市トルン
Średniowieczne miasto Toruń

  • 世界遺産登録:1997年、文化遺産
  • 所在地:トルン市(ポーランド中央北部)。ワルシャワから列車で約2時間45分
  • 見どころ:

旧市街の歴史散策
ヨーロッパ中世の町並みが残るトルンは、その起源を1233年までさかのぼることができ、国内でもとりわけ美しく、豊かな遺産を誇る都市として知られています。
ポーランド北部でドイツ騎士団が勢力を強めていった時代、都市として大繁栄極めたトルンはヨーロッパの重要な商都のひとつに数えられていました。バルト海への重要な水上交通路であったヴィスワ川に面しているという好立地のおかげで、貿易による取引が町に豊かな富をもたらしたのです。このトルンを語るときに忘れてはならないのが、地動説を唱えた天文学者コペルニクス(1473 - 1543)。トルンは彼の生まれ故郷として知られています。

コペルニクスの名はポーランド語ではミコワイ・コペルニクMikołaj Kopernik。中世の典型的な商家であるコペルニクスの生家は現在は博物館として保存されており、いつも観光客でにぎわっています。銅を商う裕福な家に生まれたコペルニクスは、幼くして両親と死別。司祭をしていた親類に育てられ、1491年にクラクフのヤギェロン大学に入学しました。そこで彼は初めて天文学に出合いました。旧市街の中にあるトルンの歴史の中で最盛期に建てられた建造物群はとてもよい状態で保存されていて、ゴシック建築指折りの傑作に数えられているのですが、広場に立つとまず目に留まるのは何をおいても旧市庁舎Ratusz Staromiejskiでしょう。北ヨーロッパではどこよりも壮麗な市庁舎といわれています。

1393年に建てられたこの旧市庁舎は、もともとは2階建てでしたが、1602年から2年間にわたって増改築が行われ今の形になりました。当時、市庁舎内には商人たちの住居、織物取引のための織物会館、市議会、裁判所などがありました。トルンの富を象徴していた市庁舎は、歴代の王の宿舎の役割も果たしていました。1703年、スウェーデン軍によって破壊を受けた市庁舎は、1722年から15年にかけて修復工事が行われ、屋根部分の壁(後期バロック様式)と寄木細工が美しい扉などの内部装飾が施されました。5月から10月までは高さ40mの旧市庁舎の塔Wieża Ratuszowaから、トルンの全景を眺めることができます。この庁舎のすぐそばにあるのはコペルニクスの像(1853年)です。

市庁舎の近く、旧市街広場の北西にある聖母マリア被昇天教会Kościół pw. Najświętszej Marii
Pannyは、荘厳なゴシック様式の教会です。27メートルの高さを持つこの教会の天井は見事な星模様で飾られています。14世紀にフランシスコ会によって建てられたこの教会は、16世紀半ばにプロテスタント教会となりました。

さて、ここから聖ヨハネ大聖堂Katedra Św.Jana Chrzciciela i Św.Jana Ewangelistyに行って見るとよいでしょう。1260年着工のこの教会が完成したのは15世紀になってからのことでした。教会の塔にはポーランドでは2番目に大きな鐘があります。教会内部では、コペルニクスの洗礼に使用したとも言われる洗礼盤や歴史の重みを感じさせられる装飾品を見学できます。

この教会からヴィスワ川に向かって行けばジェグラルスカ通りul.Żeglarskaにドンプスキ宮殿があります。建物の外壁に施された草花をモチーフにした装飾は見事です。この建物は1693年にドンプスキ司教によって建てられました。
そのほか、ゴシックの壁画と星形ヴォールトが美しい聖ヤコブ教会Kościół św. Jakuba、そして星の館Kamienica pod Gwiazdą、コペルニクスの生家(コペルニクス博物館)Dom Mikołaja Kopernika、ドイツ騎士団城址、エスケン邸Dom Eskenów、ヴィスワ川から長く伸びる市壁と門や守備用のやぐらなどが見逃せないポイントになっています。
トルンに来たなら名菓ピェルニクもお忘れなく!甘さの中にナツメグやシナモンなどの風味が織りこまれた大人の味は今でも中世からの伝統的な製法で作られています。

◆アクセス
直行列車がワルシャワ中央駅から1日数便あります。所要時間は約2時間45分。

◆見どころ
【旧市庁舎博物館】月曜日を除く10:00 - 16:00 (5月から10月は18時まで) 所在地 Rynek Staromiejski

【旧市庁舎の塔(展望台)】10:00 - 20:00(10月から4月は休み)

【コペルニクス博物館】
月曜日を除く10:00 - 16:00 所在地 ul. Kopernika 15/17

・コペルニクスが使っていた道具類を展示

【ドイツ騎士団城址】10:00 - 18:00

【エスケン邸】月曜日を除く10:00 - 16:00 所在地 ul. Łazienna 16
・トルンの貴族であったエスケン家の住居。16世紀末に、ルネサンスからゴシック様式に改築されました。入り口の彫刻はグダンスクで活躍した彫刻家ウィレム・ヴァン・デン・ブロッケ作で1590年頃の作品。

【星の館(東洋博物館)】 1月から4月末まで10:00 - 16:00、5月から9月末まで11:00 - 18:00 所在地 Rynek Staromiejski 35

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