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ポーランドのエルサレム

カルヴァリア・ゼブジドフスカはクラクフから33km南西の小さな町です。17世紀、美しい風景で知られるベスキト・マコフスキ山地一帯の地形を利用してエルサレムのゴルゴタの丘を再現したカルヴァリア景観・巡礼公園が建設されました。以来、ポーランドの重要な巡礼地の一つとなっています。

カルヴァリア・ゼブジドフスカ: マニエリスム建築と公園が織りなす景観及び巡礼公園
Kalwaria Zebrzydowska: manierystyczny zespół architektoniczny i krajobrazowy oraz park pielgrzymkowy
  • 世界遺産登録: 1999年、文化遺産
  • 所在地: ポーランド南部マウォポルスカ地方(クラクフの南西33km)
  • 見どころ:
歴史
カルヴァリアの歴史は西暦1600年にさかのぼります。当時クラクフ県知事であったミコワイ・ゼブジドフスキ(Mikołaj Zebrzydowski)が私財を投じて、ジャル山(Żar)の麓に位置するジャレクの丘に小さな礼拝堂を建てたことから始まりました。その地形から、この場所はエルサレムのゴルゴタの丘に見立てられ、その後多数の教会や礼拝堂が建てられることになったのです。それらはイエス・キリストの受難を象徴する各聖地を模して配置され、実際にエルサレムに行かずして聖地巡礼ができる場所として広く知られるようになりました。「ゴルゴタ」はラテン語名で”Calvaria”といい、ポーランド語名のカルヴァリア(Kalwaria)もここから取られました。

礼拝堂群の建築は、フラマン人パウル・バウダルト(Paul Baudarth)が手がけました。この地方が持つ元来の自然美と、深い信仰心に基づいたバロック洋式による建築の芸術性が一体となって調和しあい、カルヴァリアには大変美しい景観が誕生したのです。代表的建造物である聖母教会やシトー会修道院のほか、一帯には合計42におよぶ小教会や礼拝堂が聖地に名を連ねています。修道院は特徴的な回廊を擁する後期バロック様式の建物で、内部は多彩色画による装飾が施されている他、歴史的にも貴重な絵画や調度品が配置されています。
このうち、28の聖地を巡る「キリストの道行き」は、聖木曜日の夜の「最後の晩餐」から始まり、受難・死・埋葬までを巡るものです。全長は6 kmあり、すべて回るには約4時間かかります。代表的な礼拝堂には、有名な宗教画「カルヴァリアの聖母(Matka Boża Kalwaryjska)」を安置したマリア礼拝堂、ピラトの総督府、聖墳墓、聖母の墓、興味深いものとしては聖母の心臓礼拝堂という心臓の形になぞらえた聖地などがあります。この「カルヴァリアの聖母」の描かれた正確な年はわかっていませんが、およそ17世紀前半ごろと考えられています。1641年のある日、当時この絵の所有者だったパシュコフスキ夫妻が聖母の目から血の涙が流れていることに気付き、聖母教会へ移したのです。その後、ミハウ・ゼブジドフスキ(ミコワイの息子)によって特別に建造された礼拝堂に収められることとなりました。

現在
現在、カルヴァリアは、チェンストホーヴァのヤスナ・グラ修道院と並んでポーランドにおける最も重要な巡礼地となっています。エルサレムへの巡礼と同じ意味を持つとされるここカルヴァリアには、キリストの道行きを体験しながら祈りを捧げるために、あるいはまた、「カルヴァリアの聖母」への拝観を求めて、年間100万人もの巡礼者がこの地を訪れています。春(3~4月頃)の復活祭のシーズンには、地元の聖職者らによって行われるキリストの道行きを再現した「受難劇」や巡礼行進に参加しようと多くの人々が訪れ、特に聖金曜日に集る人々は10万人におよびます。8月15日の聖母被昇天の日(8月15日)にも大変な人手となります。
この地は、歴代のローマ法王にも愛されました。カルヴァリア近郊には、前ローマ法王故ヨハネ・パウロ2世の生誕地ヴァドヴィツェ(Wadowice)があり、前法王は生前幾度となくその故郷の町とカルヴァリア・ゼブジドフスカを訪れたのです。また現法王ベネディクト16世もこの地を訪問されました。

カルヴァリアにはこの巡礼公園の他、城砦の数々、祭日に立つ市の屋台に変化する軒先をもつ石造りの住宅や歴史的建造物など、一見の価値がある史跡が随所にあります。ここを起点として、ベスキディ 山脈を抜ける魅力的な観光ルートも整備されています。

データ
アクセス: クラクフよりバス便または列車。
列車・・・1日3本(所要約1時間)。クラクフ発 08:55, 10:05, 16:55/カルヴァリア・ゼブジドフスカ発 08:12, 10:50, 18:50
バス・・・1時間に3便程度(所要約45分)

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